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「ワンダーランドが答えに繋がる」― リュオ・アリシアの冒険記録 *がぁらナイトシネマのファンブログです。
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今回こそは完結させるという決意を胸に、
制作過程と赤裸々な心情をあげていこうと思います。


拍手




■使用ツールについて

・SAI
・ClipStudio
・Photoshop

これ3つなくても絵は描けます。
ただ、私の場合は時間を短縮したかったので、3つ使いました。
別に特殊な何かをつかってる訳じゃないので、SAIさえあれば生きていけると思います。


#SAIについて
いわゆる「描く」作業の時は全部コレです。軽いし使い慣れてるから。


#ClipStudio
塗りがめちゃめちゃ早くなります。
理由としては、全部線を閉じてなくても自動で塗り分けてくれるバケツ機能のため。
そしてSAIは幾何学的な描画や、図形の描画が凄く弱く、円形も描けないので、
そういった図形とかのきっちりした描画もこっち。
難点は使い慣れてないのと、重たいところ。
本当はこれ一個で出来たら一番良いんだろうなーと思いますが…。


#Photoshop
最後の加工仕上げと印刷版の作成のため。
安心入稿。


上記3つをいったりきたりするので、psdファイルで作成します。




1.イメージ固めと配置図作成


今年は仕事がアホみたいに推しているので、
夏場は絶対に地獄だから!早め入稿するから!と、この時は思っていました…。
今回は(今回も)お得意のごちゃごちゃ配置になるので、

・デジタルでラフをすると全体図が見られないのでイメージを作りにくい
・隙間時間にサッとできない

というところから、アナログで下絵までやって線画からデジタルにしようと思っていました。
この時は。
この見積もりは完璧に甘すぎまして、
結局アナログ下絵は「大体この辺りにこれがあるよね!うん!」という程度にしか
なってません。




下絵までやれると思ってた…


結論を申しますと、別にアナログにこだわらなくてよかった。
しかもこんなの公開したくなかった…
頭身もぐちゃぐちゃなのがよくわかります。病んでますね。


実はこの時、皆で雑誌を作ろうの企画(リディさん発案)の方に掲載する
絵の方が推しており、そして仕事が予想以上に…予想以上に推していて…
最終的に「全くすすまねぇ!!」というところで業を煮やし、
もう…だいたいこのポーズで大体この辺りに人がいるよね…というあたりで切り上げました。


イメージ固めの方なのですが、ラフ作成と並行して
大体隙間時間に、キーワードをぽつぽつ書きだしたりして、
何となくイラスト全体のストーリー的なものを固めてます。



 ・何かを奪い合っている冒険者たちが対立している図
  →ただし嫌な感じの対立ではない。憎悪とかではない

 ・この何かとは、多分概念的なもので、どちらか一人しか手に入れることができない

 ・この中に王族がいます ←最終的に消え失せた設定

 ・中央二人の男女は双子とか兄弟。相容れない。
  多分男の子の方が上手で、女の子の方が余裕がない。

 ・タロットカードの「世界」とかのイメージ

 ・前回入れそびれた世界樹を入れたい



大体こんな感じです。
この時は2枚に分けようとおもってて、
2つ繋げると1つの絵になるの!とか妄想していましたが、
最終的にこのもくろみは次の段階で「無理」と悟ることになります。




2.配置図からラフ

鉛筆の設定を太めにして、大体どういうポーズをとっているのか、どんな髪型なのか等、
シルエットを決めるイメージで全体に!!全体を!!描いていきます。




ふわっとしたラフから何となくシルエットを見出すイメージ


何故、「全体」と2度言ったかというと大事なことだからです。

こういう細かい絵だとありがちなんですが、好きなところ1箇所に集中しすぎるあまり、
力が偏ってて、全体のバランスが何か…おかしい…となることが非常に多くあります。


偏ってる
 ↓
よく考えたら他ができてない
 ↓
他が同じクオリティにあげる気にならない
 ↓
嫌になる


ということになります。
なので、全体にまんべんなく手をいれることを心掛けます。

そして、この段階で何となくわかるんですが、
2枚に分けるとくっそ寂しい絵になる、何かわけわからん絵になる…と思えてきたので、
1枚にしようかな…うん…いや、まだ様子見で…という感じに陥りつつあります。
時間がなかったとかじゃないですよ!




3.下絵を描いてく

落書きの時の鉛筆の太さ(多分3pixとかそれくらい)で、
細かいところも描いていきます。





だいたい落書きはいつもここで終わる

何故、鉛筆をじょじょに細くしていくのか…最初っから細くしとけよ!って話なんですが!

しかし!謙遜じゃなく真面目に言わせていただきますが!
私は形を一発でとれないという致命的なデッサン力なんです!!
だから形を少しずつ確定させていかないときちんと描けないんですね!!?


で、ここがポイントなんですが…
太い線というのは、無意識的に目で線を補完しているので、ざくざく描きやすいのです。
経験があるとは思うのですが、細い線より太い線の方が、
なんとなく文字なんかもうまく見えると思います。
あれは線を無意識的に補完してるからなんですね…。


なので、

 1.だいたいの形をぼやっととっておく
 2.太めの線でぼやっとしたところを少し見えるようにする
 3.だんだん形が見えるので下絵として引くべき線がわかるようにする
  (ここはキレイでなくて良い)

だいたい3つ目で線がやっと見えてくるというわけです。


更に、下絵の段階で細い線だと、どうして想像が線に引っ張られてしまうので、
うまく頭の中味が出ないというか…
うーん、なんとなくこういう形!というのをざっと描くときは、
太めの線でとりあえず何となく配置するという感じです。


あと、この下絵の段階でわからないところ、不明瞭なところはなるべくないようにしておきます。
描き込みすぎて線が太くなったところは、その上からもう一度なぞって、
「脳内のみで線を補完し過ぎない状態」にするようにします。


余談ですが、この下絵になったときに凄いもりもり描き進んだので、
やった、手早くなったじゃん!とよろこびはしたものの、
アナログできないクソ画力だな!?あの夜な夜な展開していたアナログ頑張る期間は何だったのか!?
と凹みました。今後も精進します。
多分ねー、イメージしっかりしてるときはねー、もう下絵から入っちゃって良いとおもうよ…。



4.線画

私、この作業が一番嫌いでした。
でも、今いちばんすきです。絵が出来上がっていく感じがするので!
あと、ここから実際の印刷版の350dpiで作業をします。(今までは軽さ出すために75dpiでした)


以下、線画を作成するにあたって過去の私を罵りつづけます。

■「下絵と線画のイメージが違う」

下絵をぉ、しっかりしてくださいぃ。
下絵が甘いんだよォって私も罵られたのでぇ…。ほんと罵られたのでェ…。マジ罵られたのでぇ…。

下絵の段階で甘え線になってないですかー?
「どこに線ひいてっか…わかんネェ…」と思って引いてる線が一番わけわかんない線です。
描いてる人間にもわかんない線は、見てる人間にもわかんないです。

そもそもどこに線ひいていいかわかんないって下絵は、下絵ですらないです。
消して上からなぞりなおしてください。
そんな下絵は意味ないです。ただの誤魔化しの線の固まりです。
一発で描けないんだからちゃんとしてね!

■「線がゆがみます」

まず筆圧かけすぎです。ペンタブはアホじゃないです、アホなのはテメェの手です。
ペンタブのペンは鉛筆でもシャーペンでもない、ペンだってことを思い出そうね。

アナログでちゃんとやってない子がデジタルに移行して鉛筆感覚で描くからそうなるんです(私でぇす!)
筆圧感わからない場合は、日常から万年筆とか使ってペン慣れしてくると、
ある日突然筆圧感つかめるようになる気がします。


あと、そもそも自分の中で線の終着点が見えてないです。なので線が途中でくにっとします。
下絵かけてますか?途中で「あれ、この線でいいのかな…」って迷いがでてます。

更にいうなら、虫眼鏡機能つかって拡大するなり縮小するなりして、
自分の中でユガミナイ線ひける距離感をみつけてください。
人が綺麗な線をひける距離には限界があります……。でっけぇ線は絵を縮小して描けば良いです。
はみでるぅ?
レイヤー機能あるんだから上から描いて後から消せ!!デジタルだろうが!


■「そもそも納得いく下絵がかけません」

そんなの描けてる人いないとおもうよ。私だってまだ納得いかないもん。
でも逃げないで描くしかないのです。逃げたところは描けないままだぞ…そう…手とかな…。
こればっかりは量を描くしかないね…。



..以上を守っていくと、線画ができます。


できます。


そして、おわかり頂けるかと思いますが、私は筆圧ほっとんど死んでます。

というか、意図的に筆圧を消してるところもあります。
ハシが野暮ったくなるので(髪の毛先とか)さすがに入り抜きくらいはありますが。

いわゆる筆圧とかが入ると、漫画のように、絵にイキイキ感が出てくるのですが、
私の絵は死んだ絵だと割り切っているので、筆圧なくていいし、
そっちが好きだし雰囲気に合うかなぁと思ってます。
なので、躍動感ある絵の描き方は別の人に聞いてください。

あくまでも緻密に黙々と線を引く作業です。
そこに情熱や勢いはなく、黙々とすすめていきます。一番すきです。

全体で3~5時間くらいでひき終わります。下絵をちゃんとしてたら迷いはないので早いです。
気になるところがあったら、下絵を描き直し、適宜修正をいれてます。


本当はマメな人はここで人物ごとにレイヤー分けしたりするんでしょうが、
もうこの時点で時間的余裕がカリカリなので、基本的には一枚に描いてます。
大丈夫、何とかなる。




5.下塗り

ここで時間を短縮する工程が発生してます。
何故かというと、もういちいち色調整してレイヤー分けしている時間をとったら凄まじいことになることが判ってるから。
前回すごく泣きそうになったから。そして時間がカリカリだから。

なので、クリップスタジオのデジタル機能をフルで使っています。

具体的にいうと


 ・もう大体でしかレイヤー分けはしない(人物につき1枚くらい)

 ・そこで線画を参照しながら、
  クリップスタジオのバケツ塗りで見分けがつく色でガンガン色のせる

 ・後でクリップスタジオの色域指定(色で選択領域を見出すこと。青なら青しか選ばない)で
  選択してレイヤー分けする

 ・レイヤー分けした後に、各レイヤーを選択して色を調整


という感じです。
なので、レイヤー分け段階ではひっどい色味です。



わかればいいんです。

別にクリップスタジオじゃなくてもPhotoshopでも良いと思いますけど、
色々面倒くさいので、クリップスタジオ。


色をざくざく塗ってクリップスタジオの色域指定(指定した色を選択範囲にする)でレイヤーを分けたら、
レイヤー選択機能(ctrl等を押しながらクリックすると、クリックした箇所のレイヤーを自動で選択する)
で選択して、色調整スライダーで調整。


色調整に関しては何故かClipStudioはリアルタイムに色が変化しないので、
SAIをつかってます。

本当は色をちゃんと決めてから配置するのが正しい手順だと思いますが、
もう考えながら作業するのが辛かったので、
作業は作業、考える時は考えるで集中するというかんじです。


で、色調整したのがこんな感じです。




やっとまともに見られる感じ

普段はこんな雑なことしてないんです!
ただ、今回は時間がなくて…そして悟ったんです…
いちいちレイヤー分けなくていいじゃん……(悟り)と…
だって細かいから…

普段はだいたい、

 1.塗りたい人物の外側を選択
 2.選択領域を反転してベトっと塗りつぶし(ここで人物が選択される)
 3.線画を参照しながら塗りつぶしたところを切って塗ってく

この塗り方は塗り残しが発生しにくいし、髪の毛先まで塗りつぶされるのでオススメです。

6.影付け

陰影とかよくわかんないので苦手です…。ただ、やるとメリハリ感は出るので、しぶしぶやってます。
陰影とかそのうちちゃんと勉強したいね。




ちゃんと出来たら多分たのしい


乗算レイヤーをつくり、影をぺーっと縁取ってぬっていきます。
影色はマゼンダ~ピンクを使っています。
理由としては、何となく画面の彩度があがって今っぽくなるからです。

シャ○トのアニメ絵とか見てるとわかるのですが、
最近はピンクとかマゼンダ等の色で影付けをしてるのがはやっていて、
なおかつ画面の鮮やかさが簡単にあがって垢ぬけるのでやってます。
難点としては、無機物っぽさがあがってしまうところかなぁ。

影色に関しては紫!とかよく言われてますけど、
影なんて色の集合体なので、何やっても良いと思います。
乗算で色々と鮮やかな色をつかってみると全然違う感じになるので楽しいと思います。





8.色調整や追加の色、グラデーション

ここからは、ザ・感覚タイムです。
レイヤーを選択し、エアブラシなどでグラデーションをかけたり、色が欲しいところに足したりして、
画面をパーっと華やかにしていきます。



やりたい放題タイム


こればっかりは個々人のセンスを発揮してくださいとしか言いようがないのですが、
一応法則的なものはあるので何となく…



 #あえて補色をつかう
 やりすぎるとクドくなるのですが、補色をアクセント的につかってみたりします


 #中性色を意識する(使いすぎない)
 暖色と寒色の影響を両方からうけている色(緑、紫など)は便利なので、
 補色を置いてキツくなったな、
 とおもったら中性色をぽんっと置いてみるとかしてみると良い気がします


 #彩度の高い色で遊ぶ
 マゼンダやシアンブルー、オレンジなどを置いてみる


 #見たことある色を使う
 ・幻想的な雰囲気を出したい
  →空のグラデーション。夕焼けの青~オレンジ、夏色の青~黄色、深海の緑~青とか

 ・可愛い感じ
  →お菓子の取り合わせ イチゴチョコレート、カフェオレカラー

 ・美しさ
  →スミレの紫と黄色、シャボン玉の水色、ピンク、紫



などなどです。
色に関してはセンスとかじゃなくて、普通に理論と法則性があるので、
それに合わせて配置するとまず酷い色味にはならないと思います。
とりあえずトイザラスとか任天堂みたいな色味にならない。

割とある彩度落とし過ぎで何か全体的にくすんだ色味の絵も、
私がよく陥る病気ですが、
まぁ再度低いと色の親和性が高まるし喧嘩しないし、ウケは良いので(!)、
何と言うかケースバイケースかなぁと思います。





9.仕上げ

線画の上に発光レイヤー(真っ白な色がつくれる)をつくって、
光の強そうなところにぽんぽんと置いていきます。




線画の上に置くと線が浮かなくて良いと思います。



更に乗算レイヤー等で肌の色味を足したり、
オーバーレイを使って光をぽやっとおいてみたり、色々します。
この色々についてはpixiv等で講座があるので、それで調べてみてください。


そして、フォトショップにうつってグロー効果。
これを描けるとアニメ絵っぽくなって垢ぬける気がします。


10.完成



完成しました~


以上です。
述べ総制作期間は40時間ほどでしょうか。



■余談

#素材について

判る人には判りますが、一部シルエットなどに使ってます。素材。

正直言って素材の使い過ぎ頼り過ぎは、調味料かけ過ぎみたいなものなので、
できるだけ使うのは控えたいのですが、


「かける時間>実際の絵に及ぼす効果」


となる場合は使っても良いと自分ルールを決めて、割り切ってます。

シルエット系は自分で作ろうと思えば作れるので、
まぁ私の中でギリギリOKかなぁ…ってところです。
本当をいうと全部描いておきたいってところもあるのですが!

あと、幾何学模様系(点線やドット等)は手間ばかり無駄にかかるので、
ここはデジタルの強みということで普通にデジタル機能頼りです。


小物を結構描くので、毎回悩みながら何処まで使ってOKかなぁとは思いますが、
素材を組み合わせただけのイラストはただの二次加工になってしまうので、
主役となるものはちゃんと自分で描いて、
あくまで添え物や賑やかし程度におさまるように…と
細心の注意は払っているつもりです。


この素材というものの扱いについては、毎回悩みます。
今は良い素材がいっぱいゴロゴロしてるんで、それをぱぱっと組み合わせるだけで、
それっぽいのが作れちゃうので、注意をしていないと、
自分の中で「素材をみつけて加工する=イラスト作った」に
すり変わりそうだなぁと思ってます。


素材かどうかなんてぱっと見てわからないし、
簡単に組み合わせるだけで人に褒められるようになるからね…!


素材をメインに作っちゃうともうそれは二次加工にな近くなりそうなので、
毎回「できるだけ添えモノ、添え物…」と唱えながらやってます。


#ストーリー・設定

あんまり明確には決めていませんけど、
何となくぼやっとイメージやストーリーは決めてます。
一応、タイトルの解説をすると、

オラトリオ:
音楽に詳しい人ならピンと来たかもしれませんが、聖譚曲の意味

エチュード:
チェス用語や音楽用語。練習とか短い節、チェスで言うならチェスパズルのような部分。


本当はこの子はこうでねーとか語ろうかと思ったんですが、
こっ恥ずかしいので秘密です。正解はないし。






以上です。

特にあまりこれといったすっげぇ技術とか使ってる訳じゃないのは
おわかり頂けたかとおもいます。
もうひたすら…根気で描いてるのです…。そう、根気です…。



ここわからんかったなーといった質問等は、
コメントやメールフォームでどうぞ。

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